中村様
今回もとても素敵な旅のコーディネートをありがとうございました。
北イタリアの街を好きなように思う存分歩き、数々の貴重な文化遺産を見て回り、カフェでお茶をしたり、おみやげ物をのんびり探したり、こんなに幸せで贅沢な時間を過ごさせていただいて感謝の限りです。バスや電車ではなかなか行きづらい街を、専用車で効率よく移動できたおかげで、一つ一つの街をかなりゆっくり見て回ることができました。
日本人アシスタントの方と一緒に訪れたパヴィアの修道院では、ロンバルディア平原に敷設された運河やイタリアのお米作りのお話などを色々伺いながら、見事なファサードや修道僧が祈りの日々をおくる僧房も少しですが見ることができました。修道院で作っている薬草茶の図解も興味深く、アシスタントの方に勧められて買った修道院チョコレートもとても美味しかったです。
そして、クレモナへ移動して、名物のサラミの入ったサンドイッチで昼食。ヴァイオリン博物館で日本では手に入りづらいストラディバリウス関連のCDが買えてうれしかったです。
次に訪れたマントヴァで過ごした一日もとても充実したものでした。午前中は、ドゥオモ、そしてサンジョルジョ城の結婚の間からドゥカーレ宮殿をゆっくり見せていただきました。ここは、絵画や展示物だけでなく、天井や壁の装飾など一つ一つのお部屋が個性的で見ていて飽きないです。遠足(修学旅行?)の学生さん達がかなり多かったのですが、十数名の小グループに分かれてきちんとガイドさんの説明を聞きながら見学していて、小さい子たちも見学マナーはとてもちゃんとしていて感心しました。午後は、お天気も良かったので、湖からマントヴァの街を見ようということで、遊覧船に乗ってみました。船は増発便を含め二隻とも元気いっぱいの小学校高学年くらいの子どもたちで満杯。絶景に感動して騒ぎまくり、写真を取りまくり、お腹がすけば船の売店に殺到してお菓子を買いつくしてしまう子どもたちと一緒に楽しい時間でした。三つの湖をすべて回る結構時間のかかる遊覧でしたが、湖からの街の眺めのみならず、野鳥も多くみられる手つかずの自然が残る奥の方の早春の風景もなかなかでした。蓮の花が咲くころは、きっと素晴らしく美しいと思います。
マントヴァからは、お手配いただいた専用車でサッビオネータ、パルマを経てモデナへ。サッビオネータは可愛らしい街でしたが、パルマもモデナもかなり見るところはあり、ここはまた機会があればゆっくりと歩いてみたいところです。どちらも美術館は立派過ぎて、短い時間では勿体ないです。モデナは、京都の弘法さんの市のような大骨董市をドゥオモ広場でやっていて、鍵束だとか面白いものが沢山出品されていました。モデナの専用車のドライバーさんに紹介されて購入した伝統的バルサミコ酢は、お値段も手ごろで本当に美味しかったです。バルサミコは「酸っぱい」ものではなく、「甘いもの」なのですね。魚のオーブン焼きなどにかけると絶妙なお味です。
それから、フェッラーラを経て今回の旅の一つの大きな目的地ラヴェンナへ。フェッラーラでは、復活祭前の日曜日ということもあり、中世のドレス姿のお姫様たちや、旗のパフォーマンスを見せてくれる騎士たちのパレードに出会えました。旗のパフォーマンスは、これまで映画でしか見たことがなかったので興味津々でした。そして、美しい中庭のあるドゥオモの博物館で沢山の古い楽譜を眺めて、中世の街の雰囲気を残すヴォルタ通りのイル・マンドリーノというお店で、きしめんの2倍はあるかと思われる幅広さのパスタをいただきました。ポルチーニ茸がたくさん入っていて美味しいことこの上なかったです。
そして、ラヴェンナでは、まず専用車でクラッセ聖堂に寄っていただいたのは大変ありがたかったです。街からわざわざバスで出かける必要もなく、かなり時間の節約になりました。ラヴェンナのモザイク画の美しさは、長い時を経たにもかかわらず本当に素晴らしく、見事でした。ビザンティン文化のモザイク画というと金色の強さが目立つように思っていましたが、実際に見てみると、金色よりも、柔らかな緑色、深い紺や青の色の美しさが印象に残っています。見学も共通券があって、一度チケットを買ってしまえばそれで何か所も回れるのも大変便利で、ラヴェンナは観光しやすい街、そして買い物もしやすい街でした。
最後はフィレンツェ。街に入る前にフィエーゾレに寄っていただきましたが、こちらも大変見晴らしの良い場所で、また機会があれば行ってみたいと思っています。専用車のドライバーさんは、ここで結婚式をあげて記念写真を撮られたとか。
フィレンツェで滞在したアパートメントは、街歩きには本当に便利な場所にあり、使い勝手のとてもよいキッチンもあって助かりました。日本人オーナーの方とも沢山お話しができて楽しかったですし、親切にしていただきました。
フィレンツェは何日滞在しても見るところは尽きない町ですが、今回訪れたサンマルコ修道院も素敵でした。静かな雰囲気の中で、フラ・アンジェリコの受胎告知をはじめ、心惹かれる数々の絵画を存分に鑑賞できました。
フィレンツェからの専用車でのトスカーナツアーは、お天気にも恵まれ、春の明るい光の中で、オルチャ渓谷に負けない風景を楽しめたと思います。ヴォルテッラは、サンジミニャーノの近くで美しそうな街ということで選んだのですが、「鋼の錬金術師」のロケ地だったとのこと。街の人たちが日本語を話してくれたり、何かと親切にしてくださったのですが、「鋼の錬金術師」がヒットしたら日本人がたくさん来るから、ということで街全体で日本語教室を開いたりといったこともされていたようです。映画はCGで加工した映像が際立つようですが、ロケ隊も感動したというこのヴォルテッラの風景そのものをもっと多くの方にも見ていただきたいと思いました。でもこの場所こそ、専用車がなければ、フィレンツェからの日帰りはかなり大変そうです。
サンジミニャーノは、あまり人も多くなく、こちらは「ブラザー・サン シスター・ムーン」の様々な場面を思い出しながら、のんびり散策しました。そして、シモーネ・サンティーニのワインも買って、大満足の一日でした。
北イタリアは、お米も作っていてホテルの朝食にライスケーキが出たり、ハム、サラミ、茸、バルサミコ酢と、美味しい食材の多いところでした。フィレンツェの市場で買ったアスパラガスも、アスパラそのものの香りと味がしっかりしていて、文化遺産だけではない、イタリアの食の豊かさも味わう旅となりました。そして、ガツンと苦くて美味しいエスプレッソにはまってしまい、日本に帰ってきてから物足りなくて仕方ありません。また、中村様にお手配をお願いしてイタリアを訪れる日を楽しみにしています。